今宵を彩るナンバー 小沢健二「ある光」(1997年)
今宵を彩るナンバー
小沢健二「ある光」(1997年)
当時、人気絶頂だった彼は、この曲を最後に日本のミュージックシーンから姿を消して旅に出たのだそうだ。その伏線は、きっと「僕らが旅にでる理由」にも引かれていたのだろう。
この線路を降りたら虹を架けるような誰かが僕を待つのか
今そんなことばかり考えてる なぐさめてしまわずに
疾走感のあるテンポ、吐き出すようなメロディ。ああ、もう俺これで手一杯、放電し続けたら腑抜けになってしまう危うさの中にいる。
乗せられた線路を降りてしまいたい、そんな弱音を口にしつつ。「なぐめてしまわずに」踏ん張っている。
そう歌い残して、オザケンは日本を後にした。線路を降りてみる勇気を示してみたのである。生きる上での間違いが、それまでの日々にあることに気づいて。
(実際はちょこちょこライブを開いていたそうだが。)