今宵を彩るナンバー 井上陽水『帰れない二人』(1973年)
今宵を彩るナンバー
井上陽水『帰れない二人』(1973年)
今日は、こどもの日、風のない静かな夜となりました。こんばんは、ヒロ辻井です。こんな夜は、ただひたすらに静寂を楽しみ、小さな物音にそば耳を立てて、いつも聞き流している風景に樹を留めてみるのもよいでしょう。
そんな夜、帰ろうとしている星を見送りながら、二人は何を思ったのでしょうか。この楽曲は、1973年のリリース。日本では、出生率が年209万人のピークを迎え、第四次中東戦争によるオイルショック、金大中事件、セブンイレブンの設立など、人々の心が沸き、落ち着かない都市だったのではないでしょうか。
そんな世相とは関係なく、夜露の冷たい中、ただ夜空を見上げながら、言葉にならない言葉をこぼした瞬間を捉えられています。「傘がない」にも通じる時間の切り取り。