角打ちでみつけた製鉄所の通い徳利
福岡地方では、酒屋がやっている立ち飲み屋のことを「角打ち」といいます。
JR折尾駅近くの堀川沿いにある高橋酒店で見つけた通い徳利には、「製鉄所」「購買部」「15625」との印し。
これは、当時の八幡製鉄所の購買部が扱っていたもので、従業員番号が印してあり、酒でも醤油でもこれに入れて販売し、支払いは給与天引きでなされていたものなのだそうです。
よく見ると「鉄」の次の「失」が「矢」になっています。これは、会社の名前に「失う」が入るのは縁起でも無いこととして避けられたものとのこと。「鉄」の代わりに、「鐵」の文字を使う会社も見受けられます。
ちなみに、角打ちは、製鉄業の最盛期には、24時間営業だったそうです。それは、地域の工場が三交代制で稼働しており、夜勤明けの工員さんが、一杯引っ掛けて帰宅していたためであるとか。
ただ、最近は、利用者層が分かり、店主も高齢化してきたためか、営業時間がどんどん短縮してきています。昔ながらの角打ちご利用の際は、早い目に繰り出しましょう。