洋行日記

日々の気づきを記録していきます。

四角い教室、四角い什器が象徴するもの。

1XNのスクール形式の授業は、「教える」×「教えられる」という二項関係を象徴するものである。僕は、このような情報提供型の学びの営みは、進度調整や内容の個別化調合のできるオンラインでの学習へ、幾らかでも移行させて行きたい。

代わりに、わざわざ生身の人間同士が集うことに理由を与える時空間の調整が、これまでの教員の役割になる。意見交換やディスカッションもまた、時空を越えるオンラインシステムやVR、フォログラムを介した仕組みへ置き換え可能である。わざわざ時間と空間を共有するためのコストを割く理由付けが可能な営みのみが、残ることになる。

四角い教室、四角い什器は、産業革命以降の近代産業を象徴しており、それに準じた思考方法を生み出す。「三四郎」の対面に座った男は、人の頭の中は本来宇宙より広いと称した。ただし、人の思考には環境の産物であるという側面がある。スクウェアな空間に飼い慣らされた私たちの思考が、その型にハマった思考に抗うことは容易でないだろう。むしろ、このような空間に落ち着きを覚えられず、飛び出していくような輩にこそ、今どきの世間の閉塞感を打破する頼もしさを感じるのである。

 

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