洋行日記

日々の気づきを記録していきます。

今宵を彩るナンバー 尾崎豊『太陽の破片』1988年

今宵を彩るナンバー

 尾崎豊『太陽の破片』1988年

1992年に26歳で夭逝した尾崎豊については、好き嫌いの差が大きいに違いない。

高校生の頃から、ボクは彼の楽曲を消費するばかりだった。「若者の代弁者」といったレッテルが貼られていたのも覚えている。ただ、のほほんと過ごしていた一人の高校生にとっては、特に自分の内面を変わりに吐露してくれているという思いは無かったが、なんとなく歌詞の世界や楽曲の作りが格好いいとは思っていた。

彼はきっと人一倍、自身の内外両面に対して感度の高いセンサーを持っていた人であり、時にそれが過敏となり、メンタルがそれに耐えられなくなって、暴発することがあった。

社会のあり方に懐疑的であり、真実の愛の姿を求めて戦うアーティストという印象を持っていたが、会社を設立運営し、楽曲を経済活動としてリリースし、予定通りに番組に出演してパフォーマンスを披露するというのは、常識的で社会に順応しているからこそなせることである。

唄い手も絵描きも、ボクは妖精なんだと思うことがある。この世とあの世を行き来するような特別な存在という意味で。
彼らの中には、自身の鋭敏なセンサーが心に奏でる不協和音が生み出す内なる毒を吐露して作品を生み出す人たちがいる。尾崎豊はその一人であり、作品を作る度に身を削って行く唄い手だったと思う。

子どもの頃から山や川で遊び、のほほんと生きて来たボクにとっては、尾崎豊は余りにも異質であり、それが魅力的に映ったのかもしれない。都会に生きる同世代人への田舎者の憧れともいえるだろう。

今日の楽曲は重いよ。これ聴いたら眠れなくなるかもよ。
それでは、覚悟して聴いて下さい。尾崎豊で『太陽の破片』です。どうぞ!

 

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